家庭教師に確定申告は必要か?経費はどこまで認められる?
こんにちは、Kです。
受験シーズンが終盤に差し掛かり、家庭教師の方々はオフシーズンに入りつつある時期かと思います。しかし、受験が終わったと思ったら次なる戦いが待っています。個人事業主にとっては最も面倒な時期になりました。そうです、確定申告です。
以前、「家庭教師と確定申告」について書きました。
その続編として、今回は家庭教師にとっての確定申告の必要性と、必要経費についてお伝えします。
全国の家庭教師の皆さんに少しでもお役に立てたら嬉しく思います。
なお、本記事はあくまでKの解釈と体験をもとにした記事であり、全ての家庭教師にあてはまるものではありません。(そもそも私の確定申告のやり方が不適切である恐れもあります。お気づきの点がありましたらお知らせください。)
個々のケースについては、税務署・税理士・会計士等の専門家に助言を求めるようにしてください。
目次
家庭教師の「所得」と「収入」と「経費」についておさらいしておこう!
まず家庭教師の所得と収入と経費について確認しておきましょう。
家庭教師の収入
家庭教師会社との業務委託契約や家庭との直接契約であれば、契約先からいただく金額が、家庭教師の収入です。多くは「時給×指導時間+交通費」だと思いますが、合格時のお礼金などが出た場合はそちらも忘れずにカウントしましょう。とにかく、「もらった合計金額」と思っておけば良いですね。
家庭教師の経費
次に、経費。これは家庭教師のお仕事をするためにかかった費用です。指導時に用いる文房具やテキスト、交通費、生徒からもらったバレンタインチョコレートへのお返し代なんかも交際費として認められますから、ちゃんとレシートをもらっておき、漏らさず記録しておきましょうね。
家庭教師の勉強代や設備費も経費!
それから、これは見落とされがちなのですが、家庭教師のお仕事をする上で必要な資料等も、経費として含めることができます。教材研究や情報収集のために書籍等を購入したりセミナーに参加したりすればそれは必要経費です。家庭教師で用いる資料の作成のためにプリンタを購入したらそれも経費になります。(ただし、そのプリンタをプライベートで使う場合は、その割合に応じた按分が必要となります。)
家庭教師のために車を買ったらそれも経費!?
電車・バス代等の交通費はもちろん経費ですし、家庭教師の移動のために車を買ったとしたら、それも経費になるのです!
ただし、車の購入の場合は「減価償却費」として数年に渡って経費計上することが多いので、そこは注意が必要です。
また、その車の使用割合も経費計上する上で留意する必要があります。たとえば車の走行距離のうち家庭教師の仕事で3割使うのであれば、減価償却費・ガソリン代・自動車保険代・駐車場代・自動車税等の経費のうち30%を、確定申告時に経費計上することになるのです。全額計上してはいけませんからね!
どこまでが経費?
さて、なんでも経費になりそうな気がしてきませんか?ここで気をつけないといけないのは、どの程度合理性があるかです。
家庭教師の予習のためにスターバックスにいったらそれも経費となるでしょうか?どうしても予習する場所が必要でそこにスタバしかなく、タダで居座るわけにはいかず一番安い飲み物を頼んだとしたら経費として認められるかも知れませんが、隣にもっと安いドトールがあるのにスタバに入りしかもケーキまで頼んだときに、経費として認められるかというと厳しいのはお分かりいただけるでしょう。
家庭教師経験の豊富な先輩に教えを請うために居酒屋にいったらそれも経費となるでしょうか?先輩の貴重なアドバイスを得るためにはアルコールが必須なので、チェーン居酒屋に行き、自分は付き合いのためのビール一杯だけなら経費になるかも知れませんが、高級なお店で飲んだ後に二次会にキャバクラに行き三次会にカラオケに行った分も経費になるかというと、非常に厳しいのは常識的に判断できますよね。
税務署員にきちんと合理的に説明でき、それが常識的に妥当だという確信がある分しか経費としてはいけないのでご注意ください。
家庭教師の所得
そして、後述するように、家庭教師における確定申告の必要性の判断基準になるのが、これから述べる「所得」の考え方です。よく「収入」と混同してしまっている人がいるので、注意が必要です。
所得=収入-経費
といっても、そんなに難しくはありません。「所得=収入-経費」という公式を覚えておくだけです。経費を引くのを忘れないようにね、ということです。
家庭教師に確定申告は必要?不要?
確定申告は全ての家庭教師にとって必要、ということではありません。それでは確定申告が必要なのはどんな家庭教師でしょうか?
確定申告が「不要」となる家庭教師の具体例
まずは、家庭教師が確定申告をする必要のないケースをみていきましょう。
社員家庭教師は確定申告が不要
まず、プロ家庭教師として、家庭教師派遣・斡旋会社の「社員」として働いているケースがありますね。この家庭教師は雇用契約のもとで「給与」として報酬を得ていることになり、その場合は毎月の給与から源泉徴収がされているはずで、毎年年末調整をすることになります。これが行われていれば、原則として確定申告の必要はありません。(個人契約の生徒がいる等、給与以外の収入がある場合は別です。次項をご参照ください。)
副業所得が年間20万円を超えなければ確定申告が不要
次に、本業の給与や、400万円以下の年金に加えて副業的に家庭教師をしている場合、その年間所得が20万円を越えなければ確定申告は不要です。年間20万円というと月換算で1.5万円ほどですから、親戚の子一人に格安で教えていたり、数ヶ月だけ教えてその後は教えていない、とかそういうレベルですね。次項との違いは、こちらは「本業(or400万円以下の年金)があってそれ以外の副業所得が年間20万円以下」ということですね。
事業所得が年間38万円を超えなければ確定申告が不要
これは本業の給与(や400万円以下の年金)が無く、全事業所得が38万円以下、ということです。年間38万円というと月に3万円とちょっとですから、これは学生アルバイトなどに当てはまると思います。前項との違いは、「全所得の合計が年間38万円以下」ということです。
確定申告が「必要」となる家庭教師の具体例
次に、家庭教師が確定申告する必要のあるケースです。(といってもここまで述べてきた例の裏返しですから難しくはありません。)
副業所得が年間20万円を超えるならば確定申告が必要
本業の給与(や400万円以下の年金)がありその上で副業として家庭教師をしており、その所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。
事業所得が38万円を超える家庭教師は確定申告が必要
会社に社員として所属しているのではない(つまり業務委託契約や家庭との直接契約のみの)家庭教師の場合、その所得が38万円を超えれば確定申告をする必要があります。
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私はプロ家庭教師として独立した10年以上前から毎年確定申告を行っています。最初はMicrosoftAccessを用いたフリーウェアで確定申告のデータ入力・書類作成を行ってきましたが、ここ5年ほどは「freee」というサービスを使っています。導入の際には有料ソフトを含め多数試してみましたが、いわゆる「クラウド確定申告ソフト」の中で群を抜いて使いやすく、非常に重宝しています。
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家庭教師の皆さん、確定申告はお早めに
3月10日を過ぎると、私を含めてギリギリに申告しようとする人達が大勢詰めかけるので、税務署の窓口は非常に混雑します。すでに申告期間は始まっているので、家庭教師の方々はできるだけ早めに確定申告を終わらせてしまいましょう!
まだ開業届を出していない方は、来期に青色申告ができるよう、確定申告に合わせて出しておきましょうね。
それではまた。