子供達の学力に対する全国一斉休校の影響を考える
皆様こんにちはKです。
今世の中は、コロナウィルスのせいで全国一斉休校という事態になってしまっています。(一部自治体で独自対応を行っているところもありますが。)この未曾有の非常事態の、子供の学力に対する影響について考えてみることにします。
目次
全国一斉休校に対しては肯定的
今回、全国一律に休校にする必要性とか、急過ぎるタイミングや通知の仕方や支援体制等についていろいろと議論や批判がなされていますが、私は割と肯定派でこの施策を評価しています。思い切ったことをやって、子供たちの感染をある程度抑えることに寄与しているのは言うまでもありません。(ただ、こういう施策って、どれくらい守ることができたかは数字として算出しづらいので、批判の声の方が大きくなってしまうのはある程度覚悟しなければなりませんよね。)
友達や先輩後輩との別れが急に来てしまった児童・生徒や、日中の子供の居場所を用意しなければならなくなった保護者、急な対応を迫られた学校と給食会社等の関連企業、受け皿として丸投げされた形になった学童などなど、多くの方が大きな影響を受けていますが、いわゆるクラスターという感染者の集団発生のリスクが大きい学校を閉鎖したことは、医療崩壊を防ぐ(少しでもピークを遅らせて時間稼ぎをする)効果は大きいと感じています。
生徒の学力への影響に懸念
その一方で、休校で学校の授業がなくなり、時間を持て余した児童・生徒の学力には、多大な悪影響を及ぼすことが予想されます。
上位層への影響は軽微
まず、上位進学校や学習意欲の高い子供たちへの影響は軽微だと予想します。彼らは自分が勉強しなければ自分の将来にその反動というかしっぺ返しが来ることに気づいており、この期間を無駄に過ごすことのリスクを知っているからです。
このような生徒達にはそもそも学校から相当量の課題を与えられるでしょうし、自分に必要な教材を自ら探し求める力を持つことが多いと思います。さらに、このような生徒の親の多くは教育に対する意識が高いですから、勉強する環境を整えるのに知恵を尽くしてくれることが期待されます。
生徒によっては、この期間の自学自習でコツを掴んで、自分に合った勉強スタイルを見つけて、それにより今後の成績の伸び方が向上する人もいるかも知れません。
平均〜下位層への影響が心配
問題は平均からそれ以下の層ですね。彼らの中には「春休みが伸びた!」と羽根を伸ばして今まで以上に遊んでいる人も多いですし、そもそも普段から勉強は学校でしかしていない生徒が、いざ家庭学習しろと言われて家で一人で勉強なんてできるでしょうか?
流行りのEdTechを採り入れる?
今急激に注目を浴びるようになったEdTech。その中でオンライン家庭教師はなかなか使えそうです。(オンライン家庭教師については別途記事化します。)でも、平均〜下位層に果たしてその効果があるかというと疑問です。余計なやり取りをせずにピンポイントで知りたいことを端的に教えてくれるのがオンライン家庭教師のメリットですので、「勉強させる」という効果はあまり期待できないと考えます。
「N予備校」「スタディサプリ」等の動画授業は、向上心のある上位層向けのサービスです。講義動画なんて、やる気がない生徒は見向きもしないのは想像に固くありません。タブレット教材なんかを親が与えても、それだけでは続けるのは難しいでしょうね。すぐに飽きて、ゲームや動画視聴に逃げてしまうはず。新しい習慣を作るのはとても難しいですから。サボってると電話が掛かってくるような、適切な緊張感を与えてくれるサービスがあると効果的かも知れませんね。
安い家庭教師や個別指導に「勉強させること」だけを期待し依頼する
こういった層には、案外旧来型の家庭教師が効くかも知れませんね。訪問し、やる気の無い生徒に根気強く親しげに優しく「勉強やろうよ!」と働きかけて生徒のやる気を高めてくれる家庭教師。(私はそういう依頼は受けたくありませんが)単価が安い家庭教師サービスがあれば、そこに「勉強時間確保だけを期待して」依頼する、というのもありだと思います。(無理して単価の高い優秀な家庭教師をつけるのは無駄な投資になってしまう恐れが高いです。この家庭教師が、生徒の勉強に対する意識を180°変えてくれるなら、投資の価値はもちろんありますが。)
あるいは、個別指導塾に通わせて「とりあえず机に向かう時間を確保する」というのも、やらないよりは良いでしょうね。劇的な効果は見込めませんが、現状を維持するくらいはできるでしょう。
上位と下位との学力差は開いていく一方
このように、上位層と下位層では、この休校期間の過ごし方が全く異なり、それがもとで学力差は開いていくことは避けられないと感じます。別にコレは悪いことでは無いと私は思います。勉強したく無い人が勉強する必要はないですし、勉強が嫌いな人が無理して大学進学するべきではないと考えるからです。平均〜下位層にきっかけを与えて改心させてあげるというのは意義深いお仕事ではありますが、私はやる気のある上位層を伸ばすことに注力してこれからも指導していこうと考えております。